リザーバーによる静注・動注化学療法

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PMC療法の実際
静注化学療法PMCプロコトル
右鎖骨下方の皮下にリザーバーシステムを体内に埋め込む ・リザーバーより5−FU600mg/m²/日を週1回経静脈敵に24時間持続投与
・リザーバーよりUFT200〜400mg/body/日を一週間のうち5〜7日間の経口投与
StageU〜Vの再発予防のための静注は手術の2週間後から開始し、原則的には1年以上この治療を続けます。
動注化学療法PMCプロコトル
右鎖骨下方の皮下にリザーバーシステムを体内に埋め込む 肝臓転移症例が対象
・5−FU600mg/m²/日を48時間持続投与
・UFT200〜400mg/body/日を一週間のうち5〜7日間の経口投与

PMC療法を行う上で重視すべき点
安全性 抗がん剤の血管外への漏れを防ぎます。リザーバーシステムを体内に埋め込むことで正確なインフューザーポンプを用いて投与する薬剤の濃度を一定に保ちます。週1回の診察によってきめ細やかな副作用チェックが可能です。
経済性 PMCは薬剤注入時のみ通院して、あとは在宅化学療法で行うために入院に伴う不便さがなく、余分な経費もかかりません。
継続性 PMCは副作用が出現した場合にも工夫して継続を試みます。また1年以上継続して行う場合が多いので、反復使用に耐えられる投与経路が必要です。そのため安全性の高いリザーバーシステムを使用する必要があります。

リザーバーシステムとインフューザーの装着
リザーバーシステム 金属で周囲を固められた0.5ml程度の袋(リザーバー)とそれに続くカテーテルから構成された器具です。カテーテルの先端は注入する血管に入っています。リザーバーを埋め込んだ部位はコブのように少し膨らみますが、それを目印に皮膚の上から針を刺しますので、確実に薬液を血管に注入することができます。針がしっかり固定されていますから、通常の点滴のようにずっと安静にしている必要はありません。針が刺さっていない間はお風呂にも入れますし、日常の生活制限は特にありません。
インフューザー 週1回外来を受診しバクスターインフューザーポンプを装着します。ポートにヒューバー針を穿刺し、薬液注入用のインフューザーポンプをヒューバー針に装着します。その後はインフューザーポンプを装着したまま帰宅します。

持続注入終了時の抜針、処置
静注PMC   1週間に1回5-FU持続注入が終了した時、患者さんご自身、あるいはご家族による家庭での抜針を指導しています。そのため来院は静注開始時の1回で済ませることができます。
動注PMC 動脈の血圧が高く、トラブルが起こると危険ですので、来院の上、抜針しています。

PMC療法の副作用
PMC療法の副作用 副作用は220人の検討ではGrade2以上が14%以下で、PMC療法を開始後93%の患者さんが、1年間外来で安全に行えました。多くの患者さんが仕事や日常生活と両立して外来通院されております。 このように従来からのPMC療法では非常に副作用が少ないのが特徴です。
CPT-11など加える薬剤 副作用が出やすくなります(骨髄抑制、消化器症状、脱毛など)。またがんの再発、進行状況が著しい場合は特にその傾向が強くなります。こういった場合、副作用対策を強化したり、あらかじめ入院して頂き、前もって予防対策を立てることで、安全にPMC療法を施行しております。

PMC療法の問題点
PMC療法の問題点医療においても、コストの問題は重要である。患者にとってもいくら払ってどんな効果が得られるかというのは非常に大きな関心ごとでもある。

LV+5-FU系抗癌剤の各投与方法による医療費を薬剤費、診療報酬、診療経費で比較したものをみると、今後大量にしかも長期に続けられる可能性のある経口LV+UFT療法が最も高価で、管理費を含めて月に約24万円となる。

それを静注LV/5-FUで行った場合には比較的安くなる。一方、我々が現在行っているPMCは非常にコストが安く、なおかつ在宅化学療法指導料による診療報酬の割合が高い(左記上部の図)。

化学療法を行っている臨床医サイドから見ると、低い診療報酬でリスクの高い化学療法の管理を請け負うことは、いくら病院の収入が大きいからといってもなかなか割りに合わない。それを改善して欲しいというのが強い要望である。患者と病院の関係

また、新しい薬が日本で開発されたとしても、製薬会社は早期発売のために大規模な市場を求めて先に欧米で大規模な臨床試験を行い、evidence-based medicine(EBN)として、日本に戻ってくるため、日本のがん治療施設では最終的にoriginalityのない追試に追われているというのが現状である。

この状況を打破するためには、やはり臨床試験の効率化、国内開発の薬剤、治療法に対する知的所有権を国内外に向けて強化し、国内で共有することが必要である。
このサイトは三重大学医学部附属病院第二外科楠教授のご協力により制作されたものです。
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